イギリスへの憧れと、キャリアアップ。
ふたつの夢を同時にかなえる道を見つけました

衛藤佳子さん
イギリス
ロンドンから車で北へ2時間。大学を中心とした静かな町、ラフバラの製薬企業で衛藤佳子さんはビジネスインターンとして活動中。彼女の仕事はジャパン・リエゾン・オフィサー。日本の顧客と会社との取り引きをスムーズにするための調整役です。「ドイツ系製薬企業の日本支社で、マーケティングを担当してました。この会社へインターンできたのも、その経験のおかげです。1年間ですけれど、夢を実現できて、本当にラッキーだな、と思います。」ラッキーといっても、実はこの研修先が決まるまでの彼女のがんばりは大変なものでした。今までのキャリアを生かしたいと、イギリスの製薬企業を希望した衛藤さん。「インターンシップは、なるべく私の希望に近い所をと、探してくれました。でも人まかせじゃいけないと思い、行きたい企業を調べて交渉をお願いしたんです。決まった時にはインターンシップの担当者も自分のことのように喜んでくれました。」夢をかなえるには、受け身じゃいけない。この姿勢は、今の仕事ぶりにもうかがえます。「実はほとんどの人が、私を社員だと思っているんです。こちらで転職してきたというのは、かなり実力のある人と見られるので、何も教えてもらえません。お給料のないインターンだと言えば、甘やかしてくれるだろうけれど、それじゃ来た意味がないでしょう。」日本の製薬企業でのキャリアを買われているからか、かなり専門的なことまで英語で突っ込まれることも。「会話の内容は、必ず相手の前で確認しています。“Yes,”だけではなく、“Yes, I will do〜”と。「はい、〜するんですね。」と確認することで、聞き間違いのトラブルはかなり防げますから。」丁寧に状況を読む衛藤さんの仕事ぶりは、周囲のイギリス人に高く評価されています。日本の顧客との合同ミーティングで、衛藤さんが自己紹介する場面がありました。日本語も交えたそのスピーチは日英の双方に好評で、社内でも評判になったそうです。「個人主義の国だから、できれば認めてくれるし、ミスすれば強く言われることも。そんな時は、習い始めたばかりのヴァイオリンをキコキコ弾いて、ストレス解消しています。」住まいは、会社が用意してくれたメゾネットタイプのお瀟洒なアパート。「日本にいる時と生活のパターンは同じ。でもなぜか、この国の暮らしは心がとても落ち着くんです。」できればイギリスで就職したいと願う衛藤さん。会社もそれを望んでいます。「就職はビザの問題で、むずかしいかも。でも