「日本語」がバカロレアの選択科目に C.A. さん |
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フランス | |
私は、フランスのリセ"Les Pierres Vives"にやってきました。 この高校はパリの中心からメトロで西へ約20分、創立2年目で建築も最新式ならばあらゆる面で革新的、意欲的な学校です。私が色々準備して行ったにもかかわらず、ここの生徒たちは始め、日本の伝統的な文化にはあまり興味を示しませんでした。 それよりも日本語を実際に使えるようになりたいというので、あわてて日本語中心の授業に切り替えたのです。(フランスに来る前に日本語教師養成講座に通っておいてよかった。) こちらには初級者向けの手引書がなく、苦労して自分でテキストを作るしかありませんでした。私が教える日本語クラスは昼の12時から1時まで、希望者を対象にしたクラブ形式です。忙しい合間をぬって参加する生徒はとても熱心で、私の都合で授業を休むと替わりを要求されるほどでした。 こちらでは、「東京」は行ってみたい都市の上位に入っていて、中にはベルサイユ宮殿に群がる日本人観光客相手のガイドになる!という子もいます。でも大半のフランス人にとっては、日本人はやはり奇妙な人種のよう。でもこちらでそう思われるのも仕方がないという体験をしました。生徒達と美術館に行って、とある絵の前で生徒達と美術館員の説明を聞いている時、ドヤドヤと日本人の団体が絵の前でパチッと写真を撮っては「ハイ次っ!」と、ろくに絵も見ずに通り過ぎていくのです。 生徒がそれをマネして、日本人というとカメラでパチッとやるのでしばらくの間恥ずかしくて写真を撮れませんでした。さて、そんな日本人ですが、いいニュースもあります。私は幸運な事にインターン活動が終わった後、この同じ高校で改めて日本語の講師として働く事になりました。新たに「日本語」がバカロレアの選択科目に加わることになったのです。 1回約6割しか受からないという難関。私の教えた生徒がバカロレアに受かるかどうか、今から楽しみです。 ※バカロレア・・・中等教育の修了を証明する国家試験合格者に大学入学資格が与えられる |