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特集記事 私のインターンシップ(6)(2004/06)


インターナショナル・インターンシップ・プログラムス

東京事務所 所長 池田 吉和


チャパカ、ニューヨークのアップステイトと呼ばれる小さな町。31年前の同じ頃、池田君もその近くのホワイトプレインズという米国独立戦争史にも出てくる町に、偶然、同じ総選挙の年に、一年ほど住むことになりました。米国という外国社会を観察し、そこの普通の人々が住むコミュニティに暮らしてみたかったからです。大げさに言えば、民主主義の根本である選挙、それも小さな選挙を通しての社会勉強がしたかったからです。選挙は各候補者と選挙民の間の社会が抱えるあらゆる問題をさらけ出して争うわけです。当時は、この選挙は池田君の勉強に為にあるんだ、くらい図々しく考えていました。

一応、日本で講談社の社外特派員の肩書きだけもらい、取材の名目でニューヨーク郊外のウェストチェスター群に飛び込んだ池田君でした。今でこそ、チャパカも含め、日本人が数多く住む地域ですが、当時は住める人はごく僅かでした。チャパカにはノーベル賞の江崎博士が住んでいました。寿司も未だブームとは言えなかったようです。この31年間でこれだけ日本、米国共に変化したのですから、今の日本もどうなるのか?

この私のインターンシップ体験から(当時は自分がインターンシップをしているとは思ってもみなかったのですが)、インターンシップ成功のヒントについて書くことにします。

まずは現地で驚くことでしょう。ただでさえ自分の国が一番だと信じている人達に、見るのも聞くのも凄い凄いと言うと、本当に喜んでしまい、エンパイアステイトビルの上まで、すぐ舞い上がってしまいますから。当時のアメリカはベトナムでの敗戦から自信喪失気味でした。このような態度は、今も外国に行った際には良い方法でしょう。決してお世辞ではなく、やはり違うのですから認めてあげることです。我々、日本人と違う特徴は、大きな声でよく喋ることです。政治家の悪口は大好きです。池田君が知る限り、政治家が信頼できると聞いたのは北欧だけでした。余談ですが、皆さんもマクドナルドに行っても日本にあると言わず、ちょっとした違いにも大げさに誉めてあげることです。それがインターンシップ成功の秘訣では?

当時28才の池田君も限られた滞在の中で、あれもこれもと欲張っていました。期待が裏切られる連続で、気落ちする毎日でした。選挙運動に飛び込み、普通のアメリカ人も出来ない体験(毎週違う宗派のキリスト教会に行ったり、駅の傍らで通行人へのインタビュー等々)をしても満足しなかった。インターンもそうだと思いますが、やはり「めでたさも中くらいなりおらが春」の句から大いに学ぶべきでは?1年間のインターンシップでもそれなりの成果はあがります。満足するのも大切では?

私ももちろんそうでしたが、外国での滞在は、ほとんどがうまく行かないことの連続です。日本では当然の事柄が、ほとんど自分でやらなければ動かないわけですから。用意されたカリキュラムに乗る形の留学と違い、特にインターンシップの様な本人の自主的判断、裁量の部分が大きい外国滞在は、無軌道電車の様に自らが制御しないと思わぬ方向に行ってしまいます。別の角度から言えば、それだけ自由ということです。外国社会に住むのは自分の総合力が、より試されると言っても過言ではないのでは?日本にいる時は、過去のしがらみがあっても、外国では自分の容貌、話し方、知識、教養、人柄で結果がとても違ってくる感じでした。裸の自分が、そのまま周囲に映るのでしょう。(次号につづく)