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       H E L L O  I N T E R N

               May 2001
                Vol. 66


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===== 5月号もくじ =====

★特別記事 研修校からのメッセージ <後編>
 ★インターン・レポート
   今月のテーマ 「戦争について」
 ★海外生活Q&A 「こんな田舎でどこにもいけない、
なにもできない」
    〜交通の不便な土地でインターンの活動を充実させるには〜
    
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★ 特別記事 研修校からのメッセージ <後編>
―「異文化の中に住む」活動を成功させるには―
(アルク・月刊日本語2月号掲載記事より抜粋)

4月号に続き、いままで3名のインターン生を受け入れ、
自らも留学経験を持つアメリカ、Zion-St. John Lutheran School校長
ブルース・ベイニー氏のメッセージをご紹介します。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

私は自分自身、かつて留学していたことがあるので、
「異文化の中に住む」ことがどのようなことか少しはわかるが、
これからインターン活動を希望される方には、
活動を成功させるためにも以下の点には十分留意してもらいたい。

1.ホストファミリーは、サービス満点のホテルとは違うということ。
2.学校においては、周囲の人たちとよくコミュニケーションをとる
こと。
3.自分の殻に閉じこまらず、
  周囲の人たちとよくコミュニケーションをとること。

ホストファミリーを引き受けるのは、
インターンから日本文化などについて何かを得たいからである。
インターンは息子や娘と同じような待遇を受けるだろうが、
そのことで権利と義務がシビアに伴うし、問題も起こり得る。
義務としては、自分で掃除、整理整頓をする、雑用を手助けする、
食事時には会話に加わる、家族の好意に対しては感謝の意を表す、
家族には自分のスケジュールやプランを知らせる等々の積極的な態度が
望まれるし、また、学校ではあいた時間を利用して
積極的に周囲とのコミュニケーションをとることもとても大切。
一人になってリラックスする時間も必要だろうが、
部屋などに長い時間一人閉じこもって音楽を聴いたり、
ゲームに興じたりするのは、あまり望ましいインターンとはいえない。
周囲とのよい関係を築けないし、そのような態度では、
生徒のために一生懸命になっている先生たちに
きわめて苦い思い出だけを残すことになってしまう。

アメリカに来るインターンは、新しい体験に対して心をオープンに
しなければだめだ。すばやく適応し、学ぼうとすべきである。
学校およびホストファミリーの望むところにあわせようとする態度を
見せるべきだ。それには柔軟性がモノをいう。
次に、前述のように、失敗することでくじけないことだ。
これにはユーモアーのセンスが大事になる。好奇心も大きな財産だ。
インターンに力を差し伸べようとする人々は、
彼らと彼らの生活に関心がある証拠だと思ってくれるだろう。

仕事に関することよりも性格的なもののほうが
インターンにとってなによりも大事だと思う。(完)

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★ インターン・レポート

1月号のインターン・レポート「戦争について」を読んだ
インターンの方から意見、体験をいただきましたのでご紹介します。
多くのインターンが、戦争について日本人としての意見、自分の意見を
求められることを経験しています。皆さんも一度時間を取り分け、
「自分の答え」を考えてみてはいかがでしょうか。

■ スクールプログラム 斉藤 幸 (イギリス)■

70〜80才代の高齢の人(主に欧米で)が彼等より若い日本人に質問
「何故日本は真珠湾を奇襲攻撃したのか?」
すると若い日本人は
「本当にごめんなさい。私はあやまることしか出来ない。」と。
そうすることでこの高齢者が救われるのであればそれで結構。
しかし、あえて反論するなら今日、日本側の奇襲攻撃にあたっての暗号文
「ニイタカヤマノボレ」について米国側は奇襲攻撃事前に
この暗号解読をしており、日本が米国のもっとも嫌う卑劣な手段
「奇襲」という既成事実を作り出す為に、知っていたにもかかわらず
この奇襲攻撃に手を打たなかったという説が有力です。
したがって「承知の事実」として真珠湾周辺住民は自国に見捨てられたこ
と。
米国では原爆落下についての大きな展示や博物館での催しを計画すると
必ずといって良い位退役軍人団体、市民団体が一丸となって計画を
中止する様反対運動を展開します。
真珠湾奇襲に対して、広島、長崎はどうなのかと
日本人が質問できなくするかの様に事実を広く伝えようとしない。
又、実際彼らは知らないことが多い。(これはあくまで私見ですが)

私はだから米国はどうだと言いたくてこの様な意見を言っているのでは
ありません。
問題は日本人側である私達がこの様な「何故真珠湾うんぬん」や世界中の
原爆に対しての戦後教育、そして原爆感について知っているでしょうか?
そして自分自身の意見をお持ちでしょうか?
彼らの質問に答えることが出来るでしょうか?
私が問題にしたいのはこの点なのです。
知識と意見を持つ、この点こそが、外国にて滞在中の私達インターンに
とって(又日本人にとって)必要なのではないでしょうか。

私はただ今英国にて研修中ですが、
同じ年令の先生から「カミカゼって知っている?」と聞かれ
「神風特攻隊」について、又戦時下の日本プロパガンダによる教育に
ついて説明しました。
ここ英国は米国と連合国同士ではあったものの、日本と直接対決が米国に
比べると少なかった為か、この質問者は感情的には冷静、公平感を持って
私の話に耳を傾けていました。もちろん質問者が戦後生まれの30代と
いうこともあるでしょう。もしこれが70〜80才代、東南アジアの決戦
にて日本軍の捕虜になった方々では違う反応でしょうが。

いずれにしても私の体験からしてこの様な質問をして来る時は、謝罪又は
私の(私達の)意見を求めている気がしてなりません。
ただし、これが一方的な謝罪だけを私達に求めて来るなら質問者は
大人げないし、アンフェアだと思います。
又、謝罪をした後に、自分の意見が相手の意見と違ったとしたらそれは
それでお互いに相手の意見を聞く姿勢が大人の関係であると思われます。
私の場合は説明と意見を求められました。

もちろん不幸な出来事、悲しい事実を変えることは出来ません。
ましてや大半のインターンは戦後世代であり、
本当の戦争体験をしているわけじゃない。
しかし、知っているかぎりのことを説明しましょう。
自分の意見を言いましょう。そして勉強しましょう。
「戦争って何?」と。
少なくとも説明こそが、彼らを納得させる、
そして相互理解に結びつくことだと私は信じています。


■ スクールプログラム 赤塚 昌紀 (アメリカ)■

1月から新たに5th Gradeのクラスを2つ持つことを頼まれ、
こころよく引き受けたものの「Sadako and 
the thousand of papaer crane」を
Readingで読んでいるので、それに関する授業をして欲しいと
頼まれた。

「Sadako−」の本の存在は知っていたのだが、
(恥ずかしながら)読んだことがなく、Libraryにあるというので
まず本を読むことから始めた。わからない単語もあり、辞書を片手に
ちょっと時間がかかったが、とても悲しい結末にショックを受けた。
とりあえず、資料も集めなければならないので
学校のPCを使って放課後にYAHOO!のSearch engine
で原爆関連のWeb siteを手あたりしだいチェックし
(これは結構使えますよ「Atomaic Bomb」
「Hiroshima & Nagasaki」で検索すれば
十分なくらい資料集めができます)、写真などをprintoutし、
授業の際に使う自作のワークシートに使用した。
また、内容が内容なので、正確な情報を伝えなければならないと思い、
先生ともミーティングを重ね数回にわけて授業をしている。

生徒達はsiteからprintした写真(被爆前後の町の様子ect)
を見て、驚きを隠せない感じだったが、ある授業の最後に
「戦争は悲しい結果を世界にもたらすだけ、世界中の人々が仲良くなって、
戦争のない平和な世界になるように、と僕は思ってるよ」と話したら、
ある生徒が
「その為にはマサキとも仲良くならなくちゃね」といってくれたのが
とても印象的だったし、とても感動した。

この「Big project」(と僕は呼んでいる)は
まだ終わっていないが(最後はみんなで鶴を折る予定)、
この授業をできて、自分としてとてもとてもよかったと思っている。

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★ 海外生活Q&A

今月のケーススタディ
 「こんな田舎でどこにもいけない、なにもできない」
   〜交通の不便な土地でインターンの活動を充実させるには〜

【Q】何もない田舎です。車がなくてはどこへも行けません。
どうしたらいいのでしょうか?何かアドバイスがあったら教えて下さい。

【A】
インターンの皆様から多く寄せられる悩みに、
「田舎で何もすることがなくて退屈」
「交通機関がなくて何処へも行けない」というのがあります。
そこで今回は、この事を取り上げてみました。

渡航前に想像していた風景と現実とのギャップに戸惑うということは
誰にでもある事でしょう。
インターンシップのプログラムというのは、受け入れて下さる
パートナーがいて初めて成り立つものです。どの様な場所においても、
人間同士出会ったところでパートナーになり得ます。
それには助け合ったり、理解しあおうとする気持ちが大切です。
自分の今までいた環境との大きな違いに戸惑うこともあると思いますが、
現地の人達の実生活の中で、それを共有する機会に恵まれたのですから、
その出会いを大切にして、
異なる環境の中でどう対処していくか考えてみましょう。

田舎で何処にも行けなくて退屈している人は、
自分を見つめ直すには良いチャンスかも知れません。
また、日本での忙しい毎日の中ではなかなか持つ事の出来なかった余裕 
のある時間を、自分を成長させるのに使うのも良いでしょう。

何処かへ行くのに毎回ホストに頼むのは気が引けるという人、
また、ホストは何時でも気持ち良く車に乗せてくれるが、
常にホストと一緒というのもちょっと…という人は、
友達をたくさん作って、時によって他の人にも頼むようにすると
良いのではないでしょうか。
友達を作る方法としては、趣味のサークルを紹介してもらって参加する、
ボランティア活動に参加する、地域のコミュニティーセンターや
学校の集まりで、日本を紹介するイベントをさせてもらう、
教会の日曜ミサに出席したり、同僚の集まりに出席させてもらう等々、
その土地土地に合った方法を見つけて下さい。

充実した活動をして満足感を持って帰国するのに必要なのは、
日本にいた時と同じ生活をすることではないはずです。
人生の中でめったにないチャンスです。180度考え方を
変えて、その環境を良い方向に利用する事を考えて下さい。

以下に、そのような時いろいろ工夫をして
乗り越えたインターンの方々から、
MQで寄せられたご意見をご紹介します。
<家の周辺は畑ばかりで、切手一枚買いに行くのも大変ですが、
大自然に囲まれて日本と違う生活が体験できて楽しいです>
                         カナダ・スクール
<とても辺ぴな所だが素晴らしい。特殊な所なのでお金を使うことは
ほとんどない。退屈に感じる時はあるけれど、その分勉強に集中できる>
                         カナダ・スクール
<暇な時間があり過ぎてちょっと困っている状況です。でも
この現状を受け止めて、いろんな事にチャレンジしようと思っています>
                   ニュージーランド・カルチャー
<ここは車がないと動きが取れないので、自転車を購入するつもりです>
                       イギリス・カルチャー
<とても田舎で車がないとどこへも行けません。
私は車を運転しないという事で来ていますので非常に不便ですが、
どこかへ出かけたい時はだれかに声をかければ乗せて行ってくれます>
                        アメリカ・ビジネス
<車社会の現実に泣かされている。車を購入するにしても、
リースするにしても高額なので足の確保が一番の悩みである。
職場のスタッフの協力を得ながら、
暫く厳しい現実に対応していくつもりである> 
                       アメリカ・ビジネス

自分一人では自由に動けないという環境でも、前向きに、
いかに今の生活を充実させるかを工夫して頂きたいと思います。

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★ 編集後記

4月。日本では入学、進級、入社と多くの人が意欲と不安を持ち
新たな環境への適応、また新しいことにチャレンジしています。
研修中の皆さんは、それぞれの夢を持ち
海外という言葉も習慣も異なり、人間関係も一から築きあげる環境に
あえて自ら飛び込み、日々チャレンジの(しかもかなり過酷な)連続
ではないでしょうか。

研修中、今後研修に参加される皆さんの充実した活動のヒントと
していただけるよう、これからも生の体験をお伝えします。

ある方は研修終了後次のように書いています。
<いろんなことに悩んだ期間でもあった。自分の中に疑問を持ち、
自分自身を疑い、答えが出ない、出せないこともあった。
全く違う環境を受け入れられないこともあった。
その度、友達に話しをしたり・・(中略)・・どうにかそこから逃げるか、
解決するか、受け入れるかという手段をとった。
だから今の自分があるし、やり遂げた自分がいる。
様々な生活スタイル、考え方、人々がある。これは事実だし、
どれが正しい、良いということはないと思う。
とにかくいまはすべてポジティブに考えられる自分がいるのは
自分自身うれしくなる。
この活動で私は、一生の宝物になるすばらしい人間関係を
作ることができた。いつでもこの土地に帰ってこれるし、
ここに住む人々と連絡をとり続けたいと思う。
そしていつかもう一度この土地に住むことができたら・・・
という夢がまたできてしまった>

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■ 編集・発行:インターナショナル・インターンシップ・プログラムス
       〒113−8419 東京都文京区西片2−22−21

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〜30年間、国際交流を支援しています〜
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